前回、トーカイ・ジャンクギターのフレットと指板の手入れをしているうちに、流れでナットの交換にまで至ったのですが、以前レジェンド・テレキャスタータイプのナットをTUSQに交換したときは、けっこう大変だったのであります。
レジェンド・カスタムテレキャスタータイプ LTE-CST
前にも紹介したレジェンドのカスタムテレキャスタータイプ、約7年前にAmazonで安値につられて衝動買いしてしまった安ギターでありますが、
買った当初はお値段以上の外観に満足していたものの、ひとつひとつのパーツをよく見れば、やっぱりそれなりのモノが付いとります。
なかでもナットは、いくら安ギターでもこれは無いじゃろ!!と言うくらい、弦溝の切りカスは残ってるわ、間隔もバラバラだわ、チューニングすればピキッて鳴るわ…で、
もはやこのダジャレを言わせるためだけに存在しているとしか思えない…『ナットらん!!』😅
TUSQナットに交換
そこで、グラフテックのTUSQナット(PQ-5042-00)に交換することに。
ところが元々付いていたナット(右側)と比べると、TUSQの高さが足りません。
仕方ないのでプラ板の切れ端を、ナットの底面に合わせて切って下敷きにしてみたのであります。
元のナットよりは少し低いけれどもビビリも無いし、むしろ弦高が下がって弾きやすくなったようなw
試しに瞬間接着剤で固定して、そのままバンド練習に持ち込んでみたのですが…なんとチョーキング一発でナットが外れてしまったのであります。
TUSQナットのみ(下敷き無し)で再挑戦
どうもプラ板と瞬間接着剤の相性が良くなさそうなので、下敷きにしていたプラ板を取り外し、ダメ元でTUSQナットを直置きして弦を乗せてみました。
結果はこの通り。1~4弦はかろうじてフレットから浮いているものの、5弦6弦は完全に1フレットに乗っかってしまう…
5,6弦のブリッジサドルを限界まで上げてみるも、無駄な抵抗でありました。
TUSQナットの弦溝加工
さて、どうしたものかと思案橋…
そのとき目に止まったのが、メインで使っていた安ギター YAMAHA YGX121P(愛称ヤマちゃん)のナット。
なにこれ? 溝切って無い??(いやいやw)
でも、弦がナットの上に乗っかってるだけみたいで、それでもいままで弾いてて弦が落ちたりズレたりとか、したことねぇよなぁ…
てなわけで、TUSQナットの弦溝も何かで(アバウトやなw)埋めて、溝を切り直せばえ~んじゃねぇの?!ってことに。
何で溝を埋めればいいのか、グーグル先生に ナット 溝 埋める のキーワードでたずねてみたところ、ワシでも出来そうなのが、次の4パターン。
- UVレジンを使う
- タイトボンドにナット等の削り粉を混ぜて使う
- 重曹と瞬間接着剤で埋める
- あきらめる(プロに任せる)
弦溝に重曹と瞬間接着剤
1.はレジン買いに行くのがめんどくせーので却下、2.も粉を削るのめんどくせーから却下、4.は話が終わってしまうので論外。
と言うことで3番の重曹と瞬間接着剤に、最初から決めてたんですけれども、ちょっと話をふくらませてみました(重曹だけにw)
瞬間接着剤の誤爆
さて、家にあった重曹(炭酸水素ナトリウム)と瞬間接着剤で、本当に弦溝は埋まるのか?!
まったく初めての経験なので半信半疑ながら、とりあえずナットの周りをマスキングテープで養生して、5,6弦の溝に重曹の粉を詰めていきます。
上からポトポトっと瞬間接着剤を垂らしたら、狙いが外れて指板に貼ったマスキングテープの上へ誤爆w
これはやっちまったかと思いながらも、爪楊枝でナットの上に接着剤を寄せていくと、白色だった重曹が接着剤を吸って透明に。
どれくらいの時間で硬化するのか解らなかったけど、とにかく指板が気になったので2~3分くらいでマスキングテープを剥がしてしまいました。
マスキングテープが優秀だったのか、はたまた運が良かっただけなのか、どちらにしても瞬間接着剤は指板まで届いていなかったので一安心。
あとはハミ出た接着剤と重曹をペーパーがけして削り取って、溝切りすればOKなのでありますが、
重曹の奇跡
ちょっと溝を切る前に弦を戻してみることに。
すると、なかなか良い具合に弦が乗っかって、1フレットにもちゃんと隙間が出来ている!!
接着剤を吸い込んだ重曹の嵩が自然に下がって、ちょうど弦が乗っかるくらいの溝になったと言うミラクル、いわゆる結果オーライというヤツですなw
あとがき
TUSQナットの性能を落としてる感は否めないけれど、この後ブリッジサドルで弦高を低めに調整しても、ビビりや詰まりと言った症状は出ず、ワシ的にはじゅうぶん使えるギターになったのであります。
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